9/1(水)〜9/28(火)
30年以上にわたり京都の庭園を撮影してきたウィリアム・コーリー。日本庭園は「人と自然が織りなす調和の美」と言う。彼のアプローチは写真芸術と庭園の文化芸術を融合させるという難しい課題でもあった。愛用の8×20インチの大判バンケットカメラでの撮影は、ネガのサイズが35mmの100倍もの情報量を持つ。それゆえ細部に至るまで鮮明で、色彩は階調豊かに映し出され臨場感がさらに増す。日本庭園の撮影はやや解説的且つ教育的、絵画的また記録的であることが多いが、西洋人にはその背後にある意図は伝わりにくい。彼は庭園とは何かという固定観念やルールにとらわれず、庭園そのものに敬意をもち時間をかけて捉える知覚も大切であると感じた。また、伝統的な枠を広げ、美しさの本質を通して、日本と西洋の相互理解を深めることを追求した。生涯、500枚以上の作品を制作したが、日本では殆ど知られておらず、本展は京都での初の個展となる。